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円安とは何か?円安時の投資を解説

2022年10月現在、為替が1ドル148円台と誰も予測できなかった急速な円安が進み、NEWSでも大きな話題となっています。
今回は、そもそも円安はどうして起きたのか、今後どのような投資を行えばよいか、解説していきます。




 ー 円安は、円の価値が下がること


円安とは、外国の通貨と比べて、円の価値が下がることをいいます。

例えば、以前は1ドルの商品を買うために80円必要だったものが、現在は148円払わないと同じ商品を手に入れることができない、ということです。

もし、1,000ドルのパソコンを買う場合、

1ドル=80円→8万円で買えていたものが、
1ドル=148円→約14万円かかることになります。


大きな買い物になるほど、多くの円が必要になりますね!

つまり、ドルの通貨に対して、円の通貨の価値が下がっている、ということになります。このように、円の価値が下がるから、円安と呼ばれています。

現在は、1ドル=148円と円の価値が大幅に下落しており、32年ぶりの円安水準といわれています。なぜこんなに下落しているのでしょうか。




ー 円安は、各国の金利格差が原因


為替の動きは様々な要因が影響し、一概には説明できないのですが、現在の円安は、日本とアメリカの金融政策が異なり、両国間で金利格差が生まれていることが原因です。

現在の、アメリカの経済状況をご存じでしょうか。コロナ禍で世界経済が落ち込む中、アメリカでは、2021年の春以降、先行して景気が急回復しています。

しかし、人手不足の解消が間に合わず、需要に供給が追いついていないことから、モノやサービスの価格が大幅に上昇しています。この急激な物価上昇が、消費者の購買意欲を下げ、経済に急ブレーキをかけることがアメリカでは心配されています。

だから、アメリカ中央銀行(以下、「FRB」という)は、「金融引き締め」政策を行い、物価上昇を抑えようとしています。

「金融引き締め」政策とは、市場に出回る通貨量を減らす政策をいいます。各国の中央銀行は市場に出回る通貨量を、民間金融機関から国債などの金融商品を売買することで、定期的にコントロールしています。

これまではFRBは低迷していた経済を活性化させるために、民間金融機関から 債券などの売買を通じて、市場に出回る通貨量を意図的に増やしていました。しかし、今回の物価上昇を機に、市場に出回る通貨量を減らすため、購入額を徐々に減らしています。

市場に出回る通貨量が減ると、その分お金は貴重になり、ローン金利を上げても借りたいと思う人は存在することになります。そのため、銀行ローン金利は自然に上がっていきます。

経済活動は、主に企業が事業投資を行い拡大しますが、銀行ローン金利が上がると、積極的に銀行から借入をして事業投資をしていた企業は、借入を控えはじめます。その結果、事業投資を行う企業が少なくなり、急激な経済成長を抑えることができます。これらの流れを、FRBは目指しています。

一方、日本の中央銀行である日本銀行は、低迷している経済を活性化させるため、現在のアメリカとは真逆の「金融緩和」政策を続け、市場に出回る通貨量を強制的に増やしています。

市場に出回るお金の量が増えると、銀行はローン金利を下げてでもお金を貸そうとするため、今まで事業投資を控えていた企業が、積極的に銀行ローンを借りて事業投資を始めます。その結果、経済を押し上げることになります。この銀行ローン金利は、間接的に預金金利と連動することになります。

このように日本とアメリカが真逆の金融政策を行っているため、両国間に金利格差が生まれることになります。

そして、預金金利がほぼゼロで利息がつかない日本の円と、金利3%のアメリカのドルがあれば、利息がつきやすいアメリカのドルでお金を置き運用したい人が多いはずです。

そのためには、円を売りドルを買う必要があるため、円の価値が下がり、円安となります。




ー 円安は企業業績が上がり、物価上昇に繋がる


円安にはメリットがある一方、デメリットもあります。

【円安のメリット】

① 訪日外国人が増え、国内の消費が活発になるため、日本企業の業績は上がります。円安の今、自国の通貨をより多くの円に替えられるため、訪日外国人にとってはお得です。
先日、政府が水際対策を緩和して、外国人が日本へ渡航しやすくなったことから、これからも日本の消費は外国人の観光需要で活発になることが予想されています。

② 日本の輸出企業にとっては、海外で稼いだ外貨をより多くの円に転換できるため、業績向上に繋がります。

【円安のデメリット】

日本のあらゆるモノやサービスの価格は高くなります。
なぜなら、日本は食品や原材料などの多くのモノを海外から輸入しているからです。

海外から輸入する際は、円通貨を現地の通貨に一度両替する必要がありますが、円安時ではドル建ての商品を買うためにより多くの円が必要になるため、輸入コストが上がることになります。

そのため、国内で利益を出すためには企業は販売価格を上げざるを得ないことになります。その結果、あらゆる物価が上昇します。

物価上昇が進むに伴い、私たちの給料が上がらなければ、生活は苦しくなってしまいます。だから、実質資産が目減りしないように、私たちは資産運用を継続して行う必要があります。

次に、円安時の資産運用のポイントを紹介します。




ー 円以外の資産へ分散投資は有効


円安は物価上昇を招き、実質資産が目減りするため、円以外の外国資産への投資は有効です。

円安の状況下では、外国資産を購入する際により多くの円通貨を必要としますが、現在は、アメリカ株式市場(NYダウ)が下がっているため、米国株を割安な価格で買える可能性があります。

米国株をつみたてNISAやiDeCoで積立方式で購入する方法は、為替や株価の変動を気にせず投資できるため、まだ利用枠がある方は追加投資を検討することも選択肢の一つです。ドル資産の購入に多くの円通貨を必要とする円安の状況下であっても、米国株を早期に積立投資しておけば、複利の効果も期待できます。

ただ、円安時は外国資産が有利だからといって資産がドルに偏りすぎてしまうと、円高に振れた場合、大きな損失に繋がるかもしれません。そのため、円資産への投資も一定継続することを検討しましょう。

現在、日本の株式市場は低迷しており、どんな優良企業でも市場に引っ張られ株価が下がるため、本来よりも割安で買える可能性があります。中でも、海外で稼いだ外貨をより多くの円に転換できる輸出関連企業インバウンド関連企業への投資は投資対象の候補になります。

ただ、円高に振れると大きく業績が悪化してしまうケースもあります。あくまでも企業の実態を確認して、成長する企業なのか検討したうえで購入することをおすすめします。

また、不動産投資においても、円安はプラス要因といわれます。なぜなら、円安による物価上昇が、不動産の家賃相場の上昇に繋がるためです。

また、円安が追い風となり、海外投資家の日本不動産への投資が加速し、需要が高まるため、不動産の価値が安定することにも繋がります。例えば、円安が進み始めた昨年の2021年から、大手ゴールドマンサックスも日本の不動産投資を加速させています。




ー まとめ


今回は、円安が生活に与える影響や、外国資産へ分散投資をすべき理由についてお話していきました。

円安の今、日本の不動産市場では海外投資家からの投資が加速し、不動産価格は安定しています。不動産投資も織り交ぜながら、ぜひ分散投資を行い、安全性の高い運用を行いたいものです。

投資家が不動産への投資を選ぶ理由については、次の記事で紹介しています。まだチェックしていない方は、ぜひご覧下さい。

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わかりやすくお伝えできるように試行錯誤のうえ作成していますので、ぜひスキやコメントいただけると嬉しいです。


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